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40代女性におすすめ|自分を見つめ直したいときに読む小説9選

仕事に家庭、そしてこれからの自分の人生——。忙しさの合間にふと立ち止まり、「私はこのままでいいのかな」と思う瞬間はありませんか?

40代という年代は、人生の折り返し地点ともいわれ、これまで歩んできた道を振り返ると同時に、これからの生き方を見直したくなる時期でもあります。

そんなときに寄り添ってくれるのが、小説の力です。誰かの物語に触れることで、自分の気持ちが整理されたり、忘れていた大切な想いを思い出せたりすることも。

今回は、「自分を見つめ直したい」と感じている大人の女性に向けて、心にじんわりと響くような小説を9冊ご紹介します。ひとり時間を豊かにしてくれる静かで優しい読書体験を、どうぞじっくり堪能してください。

この記事でわかること

  • 40代女性が共感できる小説の特徴
  • 自分と向き合いたいときにぴったりの作品
  • 忙しくても読みやすいおすすめ小説9冊
  • 小説で心を整える読書習慣の始め方

 

40代女性におすすめ|自分を見つめ直したいときに読む小説10選

椅子の上に置かれた本とお茶

Unsplash

共感できる物語の力:なぜ小説が心を整えるのか

年齢を重ねるにつれ、私たちはたくさんの役割をこなしながら日々を過ごしています。忙しさゆえ、本を手に取る時間もめっきり減ってしまった…そんな人も多いのではないでしょうか。

けれど、どんなに忙しくしていても、「私」という存在は、きっとその奥に静かに佇んでいるはず。小説を読むということは、その“奥の私”と出会いなおす時間でもあります。

ページをめくるたびに、他人の人生に触れ、自分の心の奥に眠っていた感情に気づかされる。
そんな体験が、「これからの私」をそっと導き、励ましてくれるかもしれません。

 

 

40代女性が自分を見つめ直すときに読みたい小説9選

重ねられた本

Unsplash

日々を忙しく過ごす大人の女性の心に、優しく寄り添ってくれる本。読んだ後に、何だか元気が出て、少し前向きになれる本。今回は、そんな観点で9冊の本を選んでみました。

 

『日日是好日』森下典子

お茶のお稽古に通う中で、著者が感じた四季の美しさ、心の揺らぎ、そして自分の変化をつづったエッセイ風小説。

特別なことが何も起きない日々が、じつはかけがえのない時間だった——そんな気づきをもらえます。「ただ、今日を大切に生きる」ことの尊さを、やさしく教えてくれる本です。

2018年には、映画にもなっています。

映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト

『ツナグ 想い人の心得』辻村深月

「亡くなった人と一度だけ会える」としたら、誰に会いたいですか?

そんな問いを通して、登場人物たちは大切な人との関係、自分の後悔と向き合っていきます。
大切な人に今、何を伝えるべきか——自分の気持ちに正直になるきっかけをくれる物語です。

こちらも、2012年に映画化されています。

辻村深月×松坂桃李 対談 「ご縁」が繋ぐ、出会いと想い | Book Bang

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

親が何度も変わるという一見複雑な家庭環境を持つ少女が、明るく、しなやかに成長していく姿が描かれます。

血のつながりではなく、心のつながりで築かれる“家族”の温かさが、読み手の心をじんわりと満たします。この作品も、つい先日映画化されたばかりです。

映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト

『キネマの神様』原田マハ

夢を追うこと、老いること、家族との距離感——。

映画がつないだ父娘の絆が、静かに胸を打つ感動作。「人生の晩年に何を大切にしたいか」、「今、何を選ぶべきか」を考えさせられる本です。

こちらの小説も、映画化されています。

映画『キネマの神様』公式サイト

『海うそ』梨木香歩

美しい自然描写とともに、過去の記憶が静かに浮かび上がる物語。

主人公とともに南の島を歩いているような感覚を得られる一冊。自分の中にある「忘れたはずの風景」や「感じたことのある寂しさ」に、優しく触れられるような感覚を覚えるかもしれません。読むことで、自分の深層と向き合うような読書体験ができますよ。

『コンビニ人間』村田沙耶香

世間の「当たり前」と自分の「心地よさ」が一致しないとき、あなたならどうしますか?

周囲の価値観に流されず、自分のスタイルで生きる主人公に、気づきを得られる読者も多いはず。人物描写が巧みで、引き込まれて思わず最後まで読み進めてしまう小説です。

『岸辺の旅』湯本香樹実

死んだはずの夫と旅をするという幻想的な物語設定が、不思議とリアリティをもって胸に迫ります。

失った人との対話を通じて、自分自身を取り戻していく主人公の姿に、深い癒しを感じる読者も多い作品。静けさの中にある希望が、じわじわと心に沁みます。

こちらも映画化された小説です。

岸辺の旅:映画作品情報・あらすじ・評価

『サラバ!』西加奈子

複雑な時代や文化を背景に育つ少年が、自分のアイデンティティを模索する壮大な成長譚。

読むほどに「自分は何を信じて生きるか」という問いを突きつけられます。人間の強さと弱さ、そして“信じること”の大切さが詰まった、まさに人生を見つめ直すための一冊です。

『みかづき』森絵都

戦後から現代に至るまで、教育と共に歩んだ家族の物語。

三世代にわたる女性たちの生き方には、時代の波に翻弄されながらも自分を貫こうとする力強さがあります。「何かを信じて生きること」「諦めずに歩むこと」の尊さが、胸を熱くします。この小説は、NHKで2018年にドラマ化されています。

土曜ドラマ みかづき|NHKアーカイブス

 

 

忙しい時に読書時間を確保するコツ

浜辺に置かれた本

Pixabay

「読みたい気持ちはあるのに、なかなか時間がとれない」、日々忙しく過ごしている40代女性からは、そんな声をよく耳にします。でも実は、読書は1日ほんの数分からでも充分なんです。

大切なのは、「時間ができたら読む」ではなく、「読書の時間を自分で作る」という意識。たとえば、こんなふうに日常に自然に取り入れてみてください。

  • 朝の10分:コーヒーを飲みながら、お気に入りの椅子で1章だけ読む。静かな朝に余裕が生まれ、心が整います。

  • カフェでの15分:待ち合わせの前、少しだけ早めに出かけて本を開く。そのひとときが、自分の感覚を取り戻す時間になります。

  • 寝る前の15分:一日の終わりにスマホを置いて静かに本を読むと、思考が落ち着き、眠りの質も上がります。

  • “ながら読書”の活用:Audibleなどの音声サービスを使えば、通勤中や家事中でも耳で読書ができます。

そして、もっと気軽に読書を始めたい方におすすめなのが、Kindleなどの電子書籍アプリの活用です。スマホやタブレットがあれば、わざわざ本を持ち歩かなくても、いつでもどこでも読書ができます。

例えばKindleアプリや楽天Koboのアプリなら、片手で操作できるうえ、しおり機能で中断もラク。書店に行かなくても、読みたい本をすぐに読み始められるので、読書の習慣化にぴったりです。

読書は、「まとまった時間がないとできないもの」ではありません。ほんの少し、心と向き合う時間をつくるだけでOK。小さな読書習慣が、暮らしをしなやかに整えてくれるはずです。

 

 

 

40代の読書について、よくある質問(FAQ)

Q1:活字が苦手なんですが、どんな本がおすすめですか?
小説=難しいというイメージを持っている方も多いのですが、 最近の作品には、会話調でテンポがよく、まるで友達の話を聞いているような気軽さのあるものもたくさんあります。まずは「読書=頑張るもの」という思い込みを手放してみると良いかもしれません。
たとえば『日日是好日』や『図書室』は、やわらかい語り口でとても読みやすく、自然と物語の中に引き込まれていきます。 冒頭の数ページを読んでみただけで、自然と物語の世界に没入できたり、共感できそうな本がきっと見つかるはず。自分に合った作品から始めてみてくださいね。
Q2:小説を読むと感情移入しすぎて疲れてしまいます…
それは感受性が豊かな証拠です。読書は感情を動かす体験ですが、だからこそ慎重に作品を選ぶことも大切。無理をせず、自分のペースでゆっくり読めば大丈夫です。
特に『海うそ』や『岸辺の旅』のような、 静かな時間が流れる作品は、深く共感しつつも心を穏やかに整えてくれます。読み進めるのが辛くなったときは、いったん本を閉じてももちろんOK。 小説は、いつでもあなたを待ってくれています。
Q3:読書にブランクがあるので、読み切れるか心配です。
読書は重たく考えなくていいんです。 『コンビニ人間』のような現代的でテンポの良い作品は、読書のブランクがある方にもおすすめ。また、エッセイのように日常をやさしく綴った『日日是好日』は、心の緊張をほぐしてくれます。
「読みやすい=浅い」ではなく、短くても心に残る言葉はたくさんあります。自分の気分や体調に合わせて、本との距離感を楽しんでくださいね。
Q4:本屋さんに行く時間もなくて…電子書籍ってどうですか?
電子書籍は忙しい現代人の強い味方。試し読みもできることが多いので、気になる本があればまず最初の数ページを確認してみるのも良いですね。
書店で平積みになったたくさんの本の中から面白そうな本を選ぶのは、確かに読書の楽しみの一つです。しかし電子書籍であれば、隙間時間にどこでもさっと続きを読みやすいのは大きなメリット。
アプリをダウンロードすればスマホでも利用できるので、紙の書籍とうまく組み合わせて活用してみてください。
 
Q5:目の調子が悪くて、読書のペースが落ちています…
40代を超えると、20〜30代の時と比べて活字を目で追い続けるのが辛くなること、ありますよね。そんな時には無理をせず、本を閉じて休憩するのも一つ。
また、電子書籍であれば文字のサイズや画面の色味を調整することもできます。電子書籍を利用して、読みやすいよう自分好みにカスタマイズするのもおすすめです。目を休めたい時には、Audibleを利用して耳で読書するのも良いですよ。
 

 

 

まとめ:あなたの「わたし時間」に、本を。

本を読む女性

Unsplash

40代は、人生の棚卸しをするような年代。これまでを振り返りながら、「これからの自分」に向き合うには、小説がとてもいい相棒になってくれます。

今回ご紹介した9冊は、どれも静かに、でも確かに心を揺さぶってくれる作品ばかり。一冊読み終えたあとに、ふと自分の内面が整っていた——そんな読書体験が待っているかもしれません。

読書は、誰にも邪魔されない、心と対話する時間。気になった作品があれば、まずはぜひ手に取ってみてくださいね。

 

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